未来のVR、ARはこうなる【ソードアート・オンライン】

SF

川原礫氏の著すライトノベルを原作とした近未来SFアニメ。2012年に第一期が始まり、今夏にはアリシゼーションの最終章が始まる予定だ。まだ現代では発展途上であるVRやARの技術が近い将来実際にこうなるのでは、ということが非常に具体的にイメージできる作品となっている。それを踏まえて現実世界でのVR、AR技術がどうなっていくのかを考えていきたい。

出典:ソードアート・オンラインHP

フルダイブ型VR

本作の第一期アインクラッドで出てきたVRマシン「ナーヴギア」やフェアリ・ダンスで出てきた「アミュスフィア」がこの「フルダイブ型VR」に相当する。

出典:ソードアート・オンライン「ナーヴギア」

「フルダイブ型VR」は現代のVRと異なり、視覚や聴覚以外の五感も感じられるだけではなく、操作についても物理的なコントローラーを介することなく、自分の体を動かす要領でキャラクターを動かすことができるのが特徴である。

これを実現するためには、本来であれば脳と身体がやり取りしている電気信号を本デバイスを介してやり取りする必要がある。更にはゲーム内キャラクターを動かしている間、現実世界の身体は動かないようにしたり、現実世界の身体で受けた感覚を感じないようにもする必要がある。つまり、

【体を動かす場合】「脳→身体」の電気信号をデバイスでは受け取りつつ、身体に対しては遮断する。

【感覚を受け取る場合】実際に身体が得ている「身体→脳」の電気信号は遮断しつつ、デバイスからの信号を伝達する。

ということをしているのである。それでいて臓器を動かすなど生命維持に関する脳と身体のやり取りはなんら疎外しておらず、更にはこれらのことを映画マトリックスのように体にデバイスを差し込むことなく、顔を覆うようなデバイスを装着するだけで実現しているのだ。なんという高度な技術を・・・

現代でもBMI(Brain Machine Interface)やBCI(Brain Computer Interface)という脳で機械やコンピュータを操作する技術が研究されているが、上記のように緻密でインタラクティブな制御ができるようになるまでの道のりはまだまだ遠そうである。

ちなみに本作中で茅場晶彦が「フルダイブ型VR」のマシンを開発したのは2022年のことである。。あと2年・・・。

AR対応ウェアラブルデバイス

本作の劇場版オーディナル・スケールで使用されていた「オーグマー」がこれに当たる。

だが、現代のARデバイスと異なるのは、現代のARデバイスが目前に設置したディスプレイに表示して実際に人の目で知覚するのに対して、「オーグマー」では電子パルスで脳に視覚、聴覚、触覚情報を入力している点である。上記フルダイブ型VRデバイスで既に脳とデバイス間での電磁パルスを介した商法伝達技術が確立しているからこそ実現できたデバイスである。また、ディスプレイが必要ないので現代のARデバイスに比べて小さいデバイスとなっている。

ちなみに前回記事の「虐殺器官」においては「オルタナ」というウェアラブル技術で視覚情報を拡張している。本作内では、一般的に普及しているのはコンタクトレンズタイプ型だが、アメリカ情報軍・特殊検索群i分遣隊のメンバーたちはナノマシン技術を用いた目薬タイプを利用している。ただし、こちらのデバイスで拡張できるのはあくまで視覚情報に留まる。

視覚情報の拡張にのみ話題を絞ると、米国のベンチャー企業Mojo Visionなどが既に開発を進めていたりするので、精度はともかくとして少なくともコンタクトレンズを用いた視覚情報の拡張はさほど遠くない未来に実現しそうである。

またAR空間上にオブジェクトを配置する技術についても、単純に映像データの上にオブジェクトを重ねるだけでなく点データの集合として奥行きまでを検知すつことができるARクラウドという技術が少し前に話題になっていたり、かの有名なMicrosoftが開発したMinecraftのAR版「Mincraft Earth」が昨年には早期アクセス版としてリリースされていたりと日々進歩している。

人工高適応型知的自立存在(A.L.I.C.E)

本作のアリシゼーションの中でボトムアップ型のAIとして描かれる。それをアンダーワールドという現実世界の何倍も時間加速された仮想世界において、人工フラクトライトを人間の進化と近い進化を辿らせることによって完成に近づけていく。

現代においては、あくまで画像認識や音声認識というパターン認識としてのトップダウン型AI技術は少しずつ普及しつつあるが、本作に出てくる人工フラクトライトのように物事を思考して結論を出すAIはまだ実現されていない

これについては、量子コンピュータの技術発展がどれだけボトムアップ型AIの発展に寄与するかなどの展望もいまいちまだ見えていないが、思考ができるAIが実現した場合には、間違いなくシンギュラリティ(技術的特異点)を超え、世界のあり様は大きく変わることだろう。なので、ボトムアップ型AIの実現に関しては、技術的観点だけでなくより倫理的観点からの議論も十分になされるべきである。

細かい設定まで考えられた近未来SF作品は、実際の現実の延長線上に本当にあるように感じられて観ていて妄想の膨らむものである。上記A.L.I.C.Eがどうなるのか、今夏のアリシゼーション最終章も非常に楽しみである。

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